埼玉県桶川市篠津地区にある[多気比売(たけひめ)神社]は、平安時代の書物である「延喜式神名帳」(927年完成)に収められている式内社で、武蔵国足立郡4座(注)の一つに比定されています。神社の創立は、3代安寧天皇の代だと言われ、武蔵国内では多摩市の小野神社と並んで最も古い神社で、江戸期は「姫宮社」と呼ばれていました。
古くから人々にも、「ひめみやさま」と呼び慕われ、「安産祈願」「子授け祈願」の信仰を集め、お参りに来る人たちが多くいました。地域の氏神さまでもある神社の由緒祭事、さらに地域活動や習俗を紹介します。
(祭神)
豊葦建(竹)姫命(とよあしたけひめのみこと)
倉稲魂命 (うかのみたまのみこと)
二つの神さまは、篠や葦・竹の茂った一帯をお守りしてくれる女神だと言われています。「風土記稿」篠津村の項には、「祭神は豊葦建姫命なり、神体は女体にて十二単衣冠の座像)と記載されています。
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旧別当金剛寺は、真言宗の寺院でした。 文化5年(1808年)の
「姫宮大明神」再建棟札にも「別当金剛寺専教」の名が見えます。
明治初年の神仏分離で社名を「姫宮社」から「多気比売神社」に改め
明治6年村社になりました。当初は、金剛寺の僧が(金田と改姓)
神職を務めましたが、現在は近隣の氷川天満神社宮司の桜井家
が兼務継承しています。
*クリックすると大きくなります。(「埼玉の神社」に掲載されてある境内図です)
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